次のことを押さえておきましょう!重要なところはオレンジ色で書いてあるので、赤シートで消えます。
- 医療的ケアとは
- 実質的違法性阻却論
- 2011年の社会福祉士法及び介護福祉士法の改正
- 法改正でできるようになったこと
- 介護福祉士等が医療的ケアを行うための3つの条件
- 国家試験過去問
医療的ケアとは
医療的ケアとは、喀痰吸引と経管栄養のことをいいます。このふたつは医行為に含まれます。
医行為とは?
医行為とは、医師の医学的判断および技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、または、危害を及ぼすおそれのある行為。
簡単に言うと、手術とか喀痰吸引とか薬の処方などなど、のことをいいます。
医師法17条 「医師でなければ、医業をしてはならない」
医師免許を持ってなければ医行為をしちゃいけないと言う意味です。
しかし、医師一人で全てをするのは無理なので(患者さんが一人とか少ない人数ならできるかもですが。)、看護師とか薬剤師とか医療の資格をもつ人で分業をしています。 本来なら、喀痰吸引の経管栄養も医行為なので、介護福祉士はできませんでした。
だけど〜
実質的違法性阻却論
家族の介護の負担や医療が在宅でも行われるようになり、介護職も喀痰吸引と経管栄養をすることが求められるようになっていきました。
そこで、「本当は違法だけども、やもえない事情があるとき、一定の条件のもと行うことを違法としない」=実質的違法性阻却論という考え方で容認されてきました。
でも、違法は違法 法律が見直されました。
社会福祉士及び介護福祉士法の改正
2011年の社会福祉士及び介護福祉士法の改正が大事です。
第2条
2
この法律において、介護福祉士とは 〜中略〜 介護福祉士の名称を用いて、専門的及び技術をもって、身体上又は精神上の障害があることにより、日常生活を営むのに支障があるものにつき心身の状況に応じた介護(喀痰吸引その他のそのものが日常生活を営むのに必要な行為であって、医師の指示の下に行われるもの(厚生労働省令で定めるものに限る。以下、喀痰吸引等という)を含む)を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこと(以下介護等という。)を業とする者をいう。
つまり、
喀痰吸引その他、喀痰吸引等、これには経管栄養も含まれると言うこと。
これらは、 日常生活を営むのに必要で、医師の指示の下ならできるようになりました。(でも、実地研修受けないとできないですが。)
法改正でできるようになったこと
介護福祉士が法改正でできるようになったことは、次の5つです。
- 口腔内(口の中)の喀痰吸引→咽頭の手前まで
- 鼻腔内(鼻の中)の喀痰吸引→咽頭の手前まで
- 気管カニューレ内部の喀痰吸引→カニューレの内部だけ
- 胃ろうまたは腸ろうによる経管栄養→医師または看護師が確認
- 経鼻経管栄養→医師または看護師が確認
介護福祉士等が医療的ケアを行うための3つの条件
- 実施する人が「認定特定行為業務事業認定証」をもっていること
- 医療関係者との連携と安全体制の確保
- 医師の指示書
認定特定行為業務事業認定証
第1号、第2号、第3号の3種類ある。
- 第1号:誰にでも(不特定多数の人)、全ての行為(喀痰吸引、鼻腔内吸引、気管カニューレ内部、胃ろう腸ろうの経管栄養、経鼻経管栄養)ができる
- 第2号:誰にでも、実地研修が終わった行為だけ
- 第3号:決められた人に、その人が必要な行為だけ
過去問
29−109 介護福祉士の業であって,医師の指示の下に行われる喀痰吸引等を規定した法律として,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 社会福祉士及び介護福祉士法
2 社会福祉法
3 介護保険法
4 医師法
5 保健師助産師看護師法
答えは1
32-109 介護福祉士が医師の指示の下で行う喀痰吸引の範囲として,正しいもの を 1 つ選びなさい。
1 咽頭の手前まで
2 咽頭まで
3 喉頭まで
4 気管の手前まで
5 気管分岐部まで
答えは1
32−110 2011 年(平成 23 年)の社会福祉士及び介護福祉士法の改正に基づいて,介護福祉士による実施が可能になった喀痰吸引等の制度に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 喀痰吸引や経管栄養は,医行為から除外された。
2 喀痰吸引等を行うためには,実地研修を修了する必要がある。
3 介護福祉士は,病院で喀痰吸引を実施できる。
4 介護福祉士は,この制度の基本研修の講師ができる。
5 実施できる行為の一つとして,インスリン注射がある。
答えは2